【470日目】甲子園の決勝を観戦

2023年8月23日(水)、午前4時に起きた。午前10時ごろ、神戸市内のホテルを出た。阪神本線に乗り、甲子園駅へ向かった。阪神甲子園球場で高校野球の決勝戦を観戦するためだ。

 

決勝では、神奈川代表の慶応義塾と宮城代表の仙台育英が対戦した。慶応にとっては107年ぶりの優勝、仙台育英にとっては2連覇をかけた一戦だった。

甲子園の決勝当日は曇りがちで、試合終了後には雨が降った。球場はほぼ満員。慶応を応援する人がとても多く、アルプス席だけでなく、3塁側の内野席やレフト側の外野席からも応援歌が聞こえた。なかなか珍しい光景だった

 

結果は、慶応の優勝で終わった。丸田選手の先頭打者ホームランを皮切りに、慶応が序盤から試合を優位に進めた。試合の後半からはエースの小宅投手がマウンドに上がり、小気味いい投球で仙台育英打線を封じ込めた。

優勝を決め歓喜に沸く、慶応の選手たち
試合のスコア

 

私が慶応のチームで好きなところは、右の強打者が多いことだ。格好良かった。今日で言えば、加藤選手や福井選手の強烈な打球が印象に残っている。

 

仙台育英のチームについては、負けた後の姿勢に感銘を受けた。慶応の森林監督がインタビューを受けている間、仙台育英の選手たちはベンチに並び、しっかり耳を傾けていた。人格者たちの集団だった。

優勝インタビュー中の仙台育英ベンチ

 

もう1つ、仙台育英について。私は2015年の決勝戦でも、同校の戦いぶりを現地で観戦している。当時は佐藤世那投手への依存度が高く、成長途上のチームという印象だった。一方、今年はエース級の投手を複数枚揃え、前年王者の貫禄を感じるチームに仕上がっていた。

 

印象に残った4つの場面

私は、地元の代表である慶応を、3塁側のアルプス席から応援した。アルプス席に入るのは人生で初めてだった。テレビ越しに見るだけでは気付けないであろう、面白いシーンがいくつもあった。

 

なかでも印象に残っている場面が4つある。

 

まず1つが、5回表の慶応側の攻撃。仙台育英はレフトとセンターが交錯し、簡単なフライを落としてしまった。ある報道記事は、慶応側の大声援が仙台育英の選手の声を掻き消し、ミスにつながったと書いている。

 

だが、物事はそんな単純ではないと、私は思う。フライが上がった数秒間は、慶応側の声援が小さくなったからだ。観客たちは球の行方が気になり、声援を送ることを忘れていた。

 

2つ目のシーンは、仙台育英の選手が守備でファインプレーをした場面。7回表のセンターのプレーだったと記憶している。慶応にとっては残念な結果だったが、慶応側のアルプス席からは仙台育英を讃える拍手が起こった。意外な光景だった。

 

3つ目のシーンは、応援歌について。慶応側の観客は、「若き血」という応援歌を合唱していたが、あまりうまくいっていなかった。テンポがどんどん速くなり、曲の終盤は歌声がばらばらになっていた。

 

うまくいく状況もあった。得点時に、肩を組みながら若き血を歌う場面だ。肩組みが効いているのか、理由は定かではないが、曲の終盤まで歌声が揃っていた。

 

最後となる4つ目のシーンは、試合終了後について。観客が帰った後のアルプス席にはゴミがたくさん落ちていた。衝撃的だったのは、飲みかけのビールが置いてあったことだ。片付けをしていた野球部員は年齢的にビールを飲めないので、私がそのビールを飲んだ。参った。

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