2022年11月27日(日)、午前8時に起きた。すぐに身支度を済ませて、家を出た。バスに乗り、島北部の一湊地区へ向かった。
一湊では、「里めぐり」に参加した。里めぐりは、屋久島の各集落で実施しているツアー。語り部の人と一緒に2時間ほど散策し、集落の文化・自然・産業などについて案内を受ける。料金は1500円だ。
午前10時に里めぐりが始まった。まず歩いたのは、一湊漁港。島の特産「首折れサバ」の水揚げ場所だ。語り部のおじいさん曰く、一湊の湾内でトビウオ漁をやっていた時代もあったという。
入り江には一湊川という清流が注いでいる。川沿いには昔、サバ節の工場が立ち並んでいた。工場がサバの内臓を川に捨てるため、それを目当てにウナギが集まっていたという。住民は小舟を浮かべて、ウナギを突いていた。
里めぐりでは、「天然樟脳(しょうのう)」の工場も訪れた。天然樟脳はクスノキを原料に製造され、芳香・防虫剤として使われている。工場は全国で4ヶ所にしかないそうだ。
屋久島では一時期、天然樟脳の生産が途絶えた。その結果、防風林などにあるクスノキが放置された。工場のご主人は、「クスノキは成長が速く、大木になる。畑を日陰にしてしまう厄介者になった」と話す。
そうした状況を解消すべく、約15年前に材木屋さんが屋久島での生産を復活させたそうだ。