2022年5月11日(水)、屋久島へ向かう。横浜市の実家を出て、移住するためだ。移動には1日半かかる。
初日の行程はこうだ。最寄りの白楽駅から東横線、半蔵門線、京成押上線、京成本線を乗り継ぎ、成田空港第1ターミナルへ向かう。Peachの飛行機に乗り、宮崎空港を目指す。空港からはJRの電車を使って、鹿児島中央駅へ。そこから20分ほど歩いた場所に宿を予約していた。
鹿児島空港ではなく、宮崎空港行きの飛行機を使ったのは、都合の良い便がそれしかなかったからだ。鹿児島行きの格安航空は調べた限り、午前8時ごろに出る便しかなかった。
移動はキツかった。衣服やタオル、パソコン、カメラ、ご近所に配るお土産物など、必要な荷物を運んでいたからだ。ボストンバッグを背負い、スーツケース2つを両手で引っ張りながら、電車に乗ったり、街中を歩いたりしていた。
渋谷駅で荷物を持ってくれた見ず知らずのおじさんには、感謝の気持ちしかない。階段の踊り場で一休みしていたところ、何も言わずに、「荷物を持つよ」と目だけで合図してくれたのだ。
宮崎空港から鹿児島中央駅に向かう電車の中は、制服を着た若者が多かった。車内で仲良さげに話していた女子生徒2人組が降りたのは、JR日豊本線の餅原駅。読み方は、「もちばる」。いかにも九州っぽい。その次の駅名は、三股。面白い駅名だ。
電車内で聴いていたラジオは、Lucky FM茨城放送の「MUSIC COUNTDOWN 10&10」。お笑い芸人のオズワルドがゆるく、流行りの洋楽・邦楽を紹介する番組だ。内容はしっかり覚えていないが、面白かった。特に、「ミュージック喫茶 ハタナカ」というコーナーが良かった。
この日の唯一の楽しみは、ここ10年ほど贔屓にしている「はなまるうどん」で晩御飯を食べること。屋久島に住めば、あの安くて美味しいうどんを食べられなくなるからだ。特に、「おろしぶっかけ」「から揚げ定食(おろし醤油のセット)」「ゆずとろろ昆布」はいつ食べても飽きない。
鹿児島市内に店舗があり、22時まで営業していることは、事前にウェブで調べていた。
だが、21時過ぎに意気揚々と訪れると店から漏れ出る光が薄暗い。ドアには一枚の貼り紙が。「感染拡大による従業員確保が困難なため」、4月29日から営業時間を21時までに変更しているらしい。なんてこった。
仕方がないから、何の思い入れもないパスタ屋で本州最後の晩餐をすませた。