2022年8月14日(日)、午前6時に起きた。友人2人と私は、自転車による屋久島一周を目指し、午前7時半すぎに自宅を出発した。
宮之浦〜永田
島内の幹線道路は海岸線に沿って、環状につながっている。一周は約100kmだ。
私達は、自宅のある宮之浦地区から反時計回りに進んだ。序盤は快調だった。志戸子地区の民家群や、一湊地区の海水浴場を眺める余裕があった。
最初の山場は、一湊を抜け吉田地区に向かう道。登り坂が約1km続く。私は漕ぐのを早々に諦め、自転車を押すことにした。友人2人は懸命にペダルを踏み続けていた。
吉田を通過し、永田地区のいなか浜に着いたのは、午前9時15分ごろ。2時間経たないうちに、20km進むことができた。いなか浜では裸足になって、膝下まで海に浸かった。雲の白さ、海の透明感、水の冷たさ。全てに夏らしさを感じた。
西部林道〜尾之間
旅の楽しさを感じたのは、いなか浜が最後だったと思う。永田を過ぎた後の西部林道はアップダウンが激しく、自転車で走るには酷だった。登り坂に差し掛かるたび、私は自転車を降りて、歩くことに徹した。道が曲がりくねっているため、下り坂でもスピードを上げにくい。
西部林道を抜け、島南西部の栗生地区まで下った。前を走る友人2人は元気そうだったが、私は熱中症気味になっていた。下り坂が多いことや、眼前に爽快な景色が広がっていたことが、せめてもの救いだった。途中に大川の滝という観光名所があったが、立ち寄る余裕はなかった。
栗生の次にある中間地区のお店で昼食をとった。中間川のほとりにある、「つわの花」というお店だ。
古民家風のインテリアや、テレビで流れていた「のど自慢」が疲労困憊の私を癒してくれた。食後に出てきたアイスコーヒーの爽快さも忘れ難い。私がお冷を飲み干す度、店員の方がコップをすぐに交換してくれたのも本当にありがたかった。
お店を出たのは13時20分ごろ。そこから約14km、尾之間地区まで懸命に自転車を漕いだ。この区間が最もキツかった。西部林道よりも登り坂の傾斜は緩いものの、気温が高かったからだ。林道では木々が日陰をつくっていたが、尾之間までの道では日光を直接受けることになる。
14時半ごろから、尾之間のスーパーで休息をとった。冷房のきいた店内で飲み物を買い、約30分間、軒下のベンチに腰掛けた。
尾之間〜安房〜宮之浦
尾之間のスーパーを15時に出て、島東部の安房地区に向かった。強烈な陽射しが体力を奪っていく。15分漕ぐごとに立ち止まり、水分を補給した。
安房の街に入る直前、10分ほど休息をとって、16時過ぎに再出発した。安房川を渡った直後は、だらだらとした登り坂が2本続いている。この道も大変だった。
安房を越えて、空港の手前辺りから宮之浦までは下り坂が多くなる。涼しくなり始めたことも相まって、個人的には楽に感じた。
宮之浦に戻ってきたのは、出発から約10時間経った18時。日没前までに1周できて、とても安心した。ただし、観光名所に立ち寄ることはほとんどできなかった。
2度目の自転車旅をするのであれば
昨日の縄文杉登山よりも、今日のサイクリングの方が格段に辛かった。当分、自転車旅をするつもりはないが、もし2度目の機会があった場合は、体力的に負担の少ない行程で1周したい。
重要なポイントは、自宅の出発時間。なるべく早く、可能であれば日の出とともに出発するのが理想だ。涼しいうちに距離を稼げば、気温の高い時間帯を休息に充てることができる。
進路を時計回りにするか、反時計回りにするか。どちらを選択するかは悩ましい。今回とは逆に、時計回りで進んだ場合、どのような景色が見えるのか興味がある。
とは言え、今日のような炎天下の条件では、反時計回りに進むのが正解だったと思う。理由は2つある。
まずは、休息について。体力的にキツくなる後半に、尾之間のスーパーや空港付近の薬局などで休めたのは、とても助かった。ここだけでなく、安房のスーパーで休憩することも可能だ。
逆に、宮之浦から時計回りで進んだ場合、後半に大型の商店がない。そのため、空調のきいている場所で休むことが難しくなる。
2つ目の理由は、西部林道について。このエリアは、17時から翌日の午前7時まで通行できない。そのため、宮之浦から反時計回りで進み、行程の前半でクリアすることが望ましい。体力の面からも、前半で林道の登り坂を迎えたい。消耗した状態で西部林道を走るのは、想像しただけで恐ろしい。