【97日目】屋久島1周、今日は車で

2022年8月15日(月)、午前6時に目が覚めた。ふくらはぎや肩が張っていた。登山と自転車による疲労だろう。昨日のサイクリングでは観光がほとんどできなかったので、今日は午後からレンタカーで島内の名所を巡った。前日とは逆に、時計回りで島を一周した。

レンタカーを借りる前に、宮之浦で飛び魚ラーメンを食べた。とても美味しかった

 

平内海中温泉〜大川の滝

島南部にある平内海中温泉を訪れた。海の中から湧き出ている温泉で、干潮の前後約2時間のみ入浴できる。私達が訪れた14時半過ぎには、観光客で賑わっていた。5人以上は集まっていただろう。中には、外国人と思しき若い女性が一人で入浴していた。人数の多さにたじろいでいた私は、「勇気がある人だ」と思った。

 

他の客に混じり、私と友人の1人もお湯に浸かった。目の前には海が広がり、岩場に波が押し寄せている。お湯の中に沈むカニの死骸も印象的だった。大自然の中に温泉があることを再認識した。

 

お湯は硫黄の匂いを発している。水温はかなり高い。私達は5分も経たずに風呂を出た。着替えるのに苦労した。土足禁止のエリアでは、日光をたっぷり浴びた岩の上を歩かざるを得ず、足裏が火傷しそうだったからだ。夜であれば過ごしやすかっただろう。

 

次に訪れたのは、大川の滝。島内最大規模の滝で、「日本の滝100選」に選ばれているらしい。高さ88mの崖から流れ落ちる飛瀑は、確かに迫力満点だった。

大川の滝
大川の滝を見上げる

 

見慣れない鳥が岩場を動き回っていた。お尻の辺りが黄色い小鳥だ。恐らくキセキレイだろう。

大川の滝の岩場にいた鳥。恐らくキセキレイだろう

 

屋久島灯台〜四ツ瀬浜

西部林道を通過し、屋久島灯台を見学した。この白い灯台は、島最西端の永田岬に立つ。初めて点灯したのは1897年。今でも閃光を発している。22海里(約41km)まで光が届くらしい。

屋久島灯台

 

灯台の内部には入れないため、建物の周囲から景色を眺めた。屋久島の海岸は何度見ても独特だと感じる。平地を挟まず、海岸線からいきなり山地が出現しているからだ。裾野の巨大な岩壁も、異様な雰囲気を演出している。

屋久島灯台から永田地区の方角を見る

 

日没の時間が近づいてきた。永田地区の周辺で、夕陽の見える場所を探した。

永田地区の風景
永田川にかかる橋。永田地区だけでなく、他の集落でも橋に提灯が吊されていた

 

四ツ瀬浜で日没を待つことにした。この浜や、観光名所である「いなか浜」などを合わせて「永田浜」と呼ぶらしい。永田浜はラムサール条約に登録されている。

 

四ツ瀬浜の美しさは、いなか浜にも引けを取らない。違うのは人の賑わい。いなか浜にはひっきりなしに観光客が訪れているが、四ツ瀬浜には私達以外、誰もいなかった。

四ツ瀬浜の海
四ツ瀬浜から見える景色。写真右には口永良部島が見える
四ツ瀬浜から見た屋久島灯台

 

浜の巨岩に腰を下ろし、1時間ほど佇んだ。隣の岩には茶色い鳥が留まり、あたりを見渡していた。イソヒヨドリのメスだろうか。

四ツ瀬浜の岩に留まっていた鳥。イソヒヨドリだろうか

 

19時ごろ、正面に見える口永良部島の端に陽が沈んだ。空はオレンジ色に変わり、20分後には茜色に染まった。

口永良部島

 

島の夜景

自宅のある宮之浦に戻った。宮之浦川には、かつて見たことのないほど人が集まっていた。駐車場はほぼ満杯だ。人だかりに近づくと、灯籠が水面をゆったりと流れていた。お盆らしさを感じる景色だった。

灯籠が流れる宮之浦川

 

宮之浦の焼肉屋で晩御飯を済ませた後、島北部に向かった。一湊地区の砂浜で星空を眺めるためだ。

 

まず目に入ったのは、「W」の形をしたカシオペヤ座。北極星も特定できたが、北斗七星がなかなか見つからなかった。目をこらすと水平線のすぐ上に、柄杓の形をした7つの星が出ていた。いつもより大きく見えたのは気のせいだろうか。

 

夏の大三角や天の川らしきものも発見できた。西の空に出現したのは、一筋の流れ星。私だけでなく、友人の1人も目撃した。矛盾しているようだが、長く一瞬の出来事だった。喩えるのであれば、打席で豪速球を見た時の感覚に似ていた。

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