【33日目】カニが愛くるしい

2022年6月12日(日)、午前6時半に目が覚めた。朝と昼は、昨日の晩御飯の残りを食べた。昨日よりはマシだったが、不味いことに変わりなかった。

 

昼食の間は、SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャルを聴いていた。松村北斗さんのエピソードトークが面白かった。

 

曇りの予報が出ていた午後は、宮之浦のなかで訪れたことがない場所を散歩することにした。明日以降、雨の予報が続き、しばらくはまともに散歩ができないからだ。

 

目的地は屋久島総合自然公園。屋久島町のウェブサイトによると、ここは町営の植物公園で、ヤクシマシャクナゲをはじめとする高山植物や固有種、希少種を見ることができるらしい。

 

公園を目指し、宮之浦川沿いを上流側に向かって歩く。誰もいない道路の脇には、小さな滝がいくつも流れていた。深い森のなか、勢いよく下ってきた水は、途中岩にぶつかりながらジグザクに落ちていく。まるで、スキーのモーグルのようだ。

 

滝の水は道路の下をくぐり、川に流れ込むのだろう。流れ込む様も見たかったが、川沿いの森に阻まれてほとんど見ることができなかった。

道路脇にあった滝の一つ
苔むした欄干と滝
宮之浦川。雄大という言葉がとても似合う眺めだった。この場所以外、散歩道の途中で川の姿を見ることができる場所はほとんどなかった

 

滝のほかに、私を楽しませてくれたのは、無数のカニたち。サワガニのような見た目をしている。水気を多く含んだ道路脇の斜面に、小さな穴を掘って暮らしているようだ。その真っ赤な姿をじっくり観察するため、1mほどの距離まで近づくと、カニたちは穴の中にすっと隠れる。その愛らしい姿を見ると、何度も近づきたくなる。

隠れようと必死に走るカニ
苔むした斜面に、多くのカニが暮らしていた

 

14時過ぎからのんびり歩くこと1時間。結局、目的地の公園には辿り着けなかった。公園近くの橋が通行止めになっていたからだ。通行止めを知らせる看板によると、橋に重大な損傷があるとのこと。私は渋々、自宅まで引き返すことにした。

 

帰り道では、体長1cmにも満たない虫を見かけた。道路上にいるその虫は、私が近づくと数m先まで一気に飛んでいく。なんとか近づき目をこらすと、体は水色や橙色の光沢を持ち、黒い斑点があるように見えた。

 

恐らくハンミョウという虫だ。私はこの虫の名前をつい最近知った。数日前に読んだ「サルと歩いた屋久島」(山極寿一)のなかで、写真付きで掲載されていたからだ。これまでもハンミョウを見かけたことはあったはずだが、その名を知った途端、愛着が湧いてくるから不思議だ。

ハンミョウと思しき虫。違ったら恥ずかしいが

 

17時ごろ自宅に戻った。公園は今後の楽しみにとっておこう。

今日の宮之浦川。14時22分に撮影
宮之浦川

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