2022年6月12日(日)、午前6時半に目が覚めた。朝と昼は、昨日の晩御飯の残りを食べた。昨日よりはマシだったが、不味いことに変わりなかった。
昼食の間は、SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャルを聴いていた。松村北斗さんのエピソードトークが面白かった。
曇りの予報が出ていた午後は、宮之浦のなかで訪れたことがない場所を散歩することにした。明日以降、雨の予報が続き、しばらくはまともに散歩ができないからだ。
目的地は屋久島総合自然公園。屋久島町のウェブサイトによると、ここは町営の植物公園で、ヤクシマシャクナゲをはじめとする高山植物や固有種、希少種を見ることができるらしい。
公園を目指し、宮之浦川沿いを上流側に向かって歩く。誰もいない道路の脇には、小さな滝がいくつも流れていた。深い森のなか、勢いよく下ってきた水は、途中岩にぶつかりながらジグザクに落ちていく。まるで、スキーのモーグルのようだ。
滝の水は道路の下をくぐり、川に流れ込むのだろう。流れ込む様も見たかったが、川沿いの森に阻まれてほとんど見ることができなかった。
滝のほかに、私を楽しませてくれたのは、無数のカニたち。サワガニのような見た目をしている。水気を多く含んだ道路脇の斜面に、小さな穴を掘って暮らしているようだ。その真っ赤な姿をじっくり観察するため、1mほどの距離まで近づくと、カニたちは穴の中にすっと隠れる。その愛らしい姿を見ると、何度も近づきたくなる。
14時過ぎからのんびり歩くこと1時間。結局、目的地の公園には辿り着けなかった。公園近くの橋が通行止めになっていたからだ。通行止めを知らせる看板によると、橋に重大な損傷があるとのこと。私は渋々、自宅まで引き返すことにした。
帰り道では、体長1cmにも満たない虫を見かけた。道路上にいるその虫は、私が近づくと数m先まで一気に飛んでいく。なんとか近づき目をこらすと、体は水色や橙色の光沢を持ち、黒い斑点があるように見えた。
恐らくハンミョウという虫だ。私はこの虫の名前をつい最近知った。数日前に読んだ「サルと歩いた屋久島」(山極寿一)のなかで、写真付きで掲載されていたからだ。これまでもハンミョウを見かけたことはあったはずだが、その名を知った途端、愛着が湧いてくるから不思議だ。
17時ごろ自宅に戻った。公園は今後の楽しみにとっておこう。